ポリフェノール、フラボノイドとは?
ポリフェノールとは、ベンゼンやナフタリンのような芳香環(いわゆるベンゼン環のかたまり)に水酸基(OH)が結合したものが複数集まった化合物の総称です。特に植物は、芳香環を持つアミノ酸を用いて多様な”ポリ”(つまり複数の)フェノールを合成します。その基本骨格によって以下のように大きく分類されます。
- フェニルカルボン酸系 (お茶のタンニンなど)、エラグ酸系(イチゴに含まれる)、クロロゲン酸系(コーヒーに含まれる)
- リグナン系 (ゴマのセサミンなど)
- クルクミン系 (ウコン、別名ターメリック、の成分がクルクミン)
- クマリン系 (桜餅の香り成分)
- フラボノイド系 (花の色素やカテキン類)
ここではフラボノイドについて詳しく紹介しましょう。
フラボノイドとは?
語源は、ラテン語のflavus (黄色)に「~のような」という意味のoidをつけたものです。黄色を含む花の色素がフラボノイドだからかもしれません。
フラボノイドとは、ベンゼン環(C6)2個をを3つの炭素(C)で結合したC6-C3-C6単位からなる、植物の代謝産物の総称です。フラボノイドを生合成する植物の種や科は多岐にわたっており、それらが作る化合物の数も多いため、その用途も色素から食品添加物まで多様です。よく耳にするものでは、アントシアニン、カテキン、フラバン(茶)、イソフラボンなど、全てフラボノイドです。
フラボノイドの作られ方
そもそも、フラボノイドはどういう経路で生合成されるのでしょうか? 一般にポリフェノール類は
- フェニルプロパノイドパスウェイから生合成されるもの と
- 酢酸-マロン酸パスウェイから生合成されるもの
にわかれます。たとえば、1では、クマリン、リグナン、リグニンなどが生合成され、2の酢酸-マロン酸経路では、アントラキノンが知られています。
フラボノイドは、上記2つの脂肪酸フェニルプロパノイドパスウェイと、酢酸-マロン酸パスウェイとの組み合わせにより生合成されます。同様のパスウェイから生成される産物には、キサントン、スチルベンなどがあります。
フラボノイドの種類について
フラボノイドは、現在7000種以上の関連物質が報告されていますが、それらの多くは配糖体(グルコースなどの糖がくっついて水溶性になった形)として存在しています。フラボノイドは骨格に付加する水酸基の様式や修飾によって次のように分類されます。
- カルコン、ジヒドロカルコン、オーロン Chalcone, Dihydrochalcone and Aurone
- フラバノン Flavanone
- フラボン Flavone
- ジヒドロフラボノール Dihydroflavonol
- フラボノール Flavonol
- フラバン Flavan
- アントシアニン Anthocyanin
- イソフラボノイド Isoflavonoids
- ネオフラボノイド Neoflavonoids
- 注:カテキンは、縮合型タンニンとして、ポリフェノールのタンニン類に分類されます。
フレンチパラドックス
みなさんは毎日の食事がフランス料理という光景をイメージするとどうでしょうか?セレブな生活で素敵!と思う方もいらっしゃると思いますが、たまには日本料理も恋しくなるかもしれませんね。
赤ワインをよく飲むフランスは、脂肪分の多い食事にも関わらず他のヨーロッパ諸国に比べて心筋梗塞、動脈硬化が少ないという「フレンチパラドックス」が知られています。その理由として植物ポリフェノールが関与していると言われており、これがきっかけとなってポリフェノールの一種であるフラボノイドも一気に注目されるようになりました。ただし、疫学調査では抗酸化作用物質の摂取は効果がないという結論も出ています。