ヘスペリジン ~簡単!お手軽!コタツでみかんのズボラ健康法~
最近、皮をむくのが面倒だということで、柑橘(かんきつ)類の人気が激減しているそうです。でも、みかんの皮ならバナナなみに簡単ですよね!?ナイフでむかなくてもすむ手軽さから、アメリカでは温州みかんを「TVオレンジ」と呼んでいるそうです。アメリカでもTVをみながらコタツでみかんを食べている日本人留学生がいるかもしれませんね。
さて、温州みかん(Citrus unshiu)、夏みかん(Citrus natsudaidai)、ダイダイ(Citrus aurantium var. daidai)などの皮(外皮と薄皮)にはヘスペリジンというフラボノイドの一種が多く含まれています。漢方薬として知られ七味唐辛子にも含まれる陳皮は、温州みかんの皮を乾燥させたものです。
ヘスペリジンは私たちの身体でどう作用するの?
ヘスペリジンはフラバノンの配糖体で、ルチンなど他のフラボノイドとともにビタミンPと呼ばれていました。ビタミンの正確な定義は生命活動に必須であることです。ヘスペリジンは必須ではないため、現在はビタミン様物質といわれます。
ビタミンPのPとは、"permeability"、つまり、毛細血管の透過性が増えすぎるのを抑制する物質として単離されたことに由来しており、古くから壊血病に対する有効性が確認されていました。現在では、抗酸化作用、抗がん性、血糖値改善効果などの報告があります。
- 抗酸化作用:へスぺリジンの抗酸化、ラジカルスカベンジャー作用(PMID: 12055336)
- 抗がん性:結腸癌に対するヘスペリジンの予防作用(PMID: 12750232)
- 抗骨粗しょう症:ヘスペリジンが骨量の減少を抑制(PMID: 12771335)
- 避妊効果:ヘスペリジンの避妊、抗性行為感染症作用(PMID: 15867010)
- 痔治療薬(:ヘスペリジン含有医薬品。血液循環改善能による痔および消化性胃潰瘍への適用(PMID: 12487623)
- 糖尿病:ヘスペリジンのグルコース調節による血糖値上昇抑制作用(PMID: 15465737)
みかんの実の部分には、残念ながらヘスペリジンはあまり含まれていません。筋や薄皮が比較的多くのヘスペリジンを含んでいるので、筋をとらずに薄皮ごと食べる「ずぼらさん」のほうが実は健康的だったりするのかもしれません。
※ 参考文献(総説、辞書)
- Flavonoid biosynthesis. A colorful model for genetics, biochemistry, cell biology, and biotechnology. Plant Physiol. 2001 126(2):485-93. PMID: 11402179
- The effects of plant flavonoids on mammalian cells: implications for inflammation, heart disease, and cancer.Pharmacol Rev. 2000 52(4):673-751. PMID: 11121513
- Flavonoids: a review of probable mechanisms of action and potential applications. Am J Clin Nutr. 2001 74(4):418-25. PMID: 11566638
- カンキツ育種よもやま話(2) FFI J. 2004 209(8):p697-713
- 生化学辞典 第3版 東京化学同人