紅葉のメカニズム
紅葉の正体はアントシアニンという色素(フラボノイド)です
どうして色づくの?
紅葉が色づき、秋の京都ははんなりした風情でお散歩を楽しむ旬を迎えます。木々の葉は、一体、どのような仕組みで赤や黄に色づいていくのでしょうか?
葉の緑色について
植物の葉の緑色は、葉緑素クロロフィル(chlorophyll)という色素のためです。クロロフィルは赤血球が酸素を運ぶときに使われるヘム(heme)という物質と殆ど同じ構造のポルフィリン環(porphyrin)に、ファイトール(phytol)と呼ばれる植物に特有のアルコールが結合した構造を持っています。
正確にいうと、ポルフィリン環を持たないクロロフィルも存在します。また、ポルフィリン環に結合する金属にも、ヘムの場合は鉄、クロロフィルの場合はマグネシウムというように様々です。詳細は他のサイトや専門書を参考にしてください。
さて、クロロフィルは赤色の可視光(680nm)を吸収して励起され、電子を放出して光エネルギーを化学エネルギーへと効率的に変換します(光合成)。酸素を作る光合成の収支は以下のようになります。
6CO2 + 12H2O → C6H12O6 + 6H2O + 6O2
つまり二酸化炭素と水から糖類(炭水化物)と酸素、水を合成します。赤色の光を吸収するため、補色である緑色に見えます。
紅葉のしくみ
秋が深まり、朝晩の冷え込みが厳しくなると、葉の付け根に水分や養分が詰まって、層ができます(離層)。そうすると、葉に合成された糖分がどんどん蓄積され、この糖分から赤い色素アントシアンが新たに合成されます。一方、緑色のクロロフィルは、どんどん分解されてしまいます。結果として、緑色の色素がなくなり、赤い色素が増えるのです。これがカエデなどが色づく「紅葉」です。
イチョウの葉っぱは黄葉
イチョウの黄色は紅葉とはメカニズムが異なり、「黄葉」とよばれています。イチョウを含め、植物の葉にはもともとカロチノイドという黄色の色素があります。普通に枯れる葉が黄色く見えることを思い出してください。クロロフィルが分解されると、緑色が薄くなることで、このカロチノイドの黄色が目立つようになり、黄色く色づいたように見えるのです。イチョウはアントシアンのような新たな色素の合成を行わないため、「黄葉」するのです。
年々遅れる紅葉
年々、紅葉の時期が遅くなって、過去50年のあいだに15日もカエデの紅葉が遅れているそうです。秋が深まったと思ったら、あっという間にポインセチアが街中に並びだして、なんだかあわただしいですね。ポインセチアの一番上の真っ赤な葉も、クロロフィルをもたないため、光合成はほとんどされていないそうです。
※ 参考